トピックス

【終了】2023年度防災教育指導者育成セミナー開催のお知らせ

※このイベントは終了しました。

防災教育普及協会では、防災担当者、防災教育指導者の育成を目的としたセミナーを
毎年開催しております。
関東大震災から100年目となる今年は、地震の揺れによってもたらされる建物の被害と
対策について、名古屋大学名誉教授 福和伸夫先生にご講演いただきます。

また、昨年、首都直下地震被害想定の見直しを行った東京都における地震防災対策の最新情報を
東京都総務局総合防災部 防災計画課長 濱中 哲彦氏に伺います。

今後、発生が懸念される巨大地震をはじめとする災害から身を守るために、
私たちはどう備えるべきか皆様の防災対策を見直すきっかけとなるセミナーです。

是非、ご参加ください!

※本セミナーのオンライン配信はございません。

開催概要

日 時  2023年6月17日(土)13時10分~14時45分
     受付開始 12時45分

会 場  東京大学地震研究所 1号館 2階 セミナーA,B
     東京都文京区弥生1-1-1
     アクセス – 東京大学地震研究所 (u-tokyo.ac.jp)

主 催  一般社団法人防災教育普及協会

後 援  災害救援ボランティア推進委員会・ 公益財団法人日本法制学会

募 集  30名

締 切  6月15日 (木)

資料代  会員・協力団体 ¥2,000 / 非会員 ¥5,000
※修了書は、受講後にメールでお送りします。

お申込み 下記フォームよりお申し込みください。

https://forms.gle/NtRbaNTHG5MaHHcNA

プログラム

13:10 開会挨拶 一般社団法人防災教育普及協会 会長 平田 直
         東京大学名誉教授

13:15 第一部 『東京都における防災対策』
       東京都総務局総合防災部 防災計画課長 濱中 哲彦 氏

14:00 第2部 『 地震の揺れによる被害と対策 』
       名古屋大学 名誉教授 福和 伸夫 先生

14:45 閉会挨拶 一般社団法人防災教育普及協会 常務理事 澤野次郎

講師紹介

名古屋大学 名誉教授 福和 伸夫(ふくわ のぶお)氏

名古屋大学大学院修了後、清水建設株式会社勤務を経て、名古屋大学工学部助教授、
同先端技術共同研究センター教授、2001年同環境学研究科教授、12年同減災連携研究センター教授(12~21年センター長)
22年同定年退職し名誉教授に就任する。
防災功労者・内閣総理大臣表彰
文部科学大臣表彰科学技術賞
兵庫県県政功労者、日本建築学会賞
同教育賞、同著作賞、地域安全学会技術賞、
災害情報学会廣井賞
日本免震構造協会技術賞
グッドデザイン賞を受賞

地震調査研究推進本部政策委員会委員長、最高裁判所建築関係訴訟委員会、内閣府防災TEAM防災ジャパンアドバイザー、同相模トラフ沿いの巨大地震等による長周期地震動検討会、国土交通省社会資本整備審議会技術部会など、多くを歴任。

【著 書】
 次の震災について本当のことを話してみよう。時事通信社
 必ずくる震災で日本を終わらせないために。時事通信社
 耐震工学~教養から基礎・応用へ~、講談社


東京都総務局総合防災部 防災計画課長 濱中 哲彦(はまなか あきひこ)氏

1997年に入都以来、河川整備・土砂災害対策のハード対策や、地域防災計画・発災時対処計画立案のソフト対策など、経歴の多くで防災業務に従事し、現職に至る。

東京都における首都直下地震被害想定の見直しとともに、地震防災に役立つ企画・制作に携わる。

【報告】第1回会員限定オンラインミーティングを開催(2023.04.26)

  

2023年4月26日(火)、第1回の会員限定オンラインミーティングを開催し、15名の会員が参加しました。

初回ということもあり、参加者全員から自己紹介と、日頃の活動や防災教育についてのコメントをいただきました。

その後、参加者の皆さんに事前にいただいたミーティングで取り扱いたいテーマや話題について、専用のGoogleスプレッドシートで共有しました。

 
今回は特に「無料で扱える防災教材や、動画資料などが知りたい」といったご要望と「防災教育の専門家のお話が聞きたい」という2つのテーマに絞り進行しました。

防災教材については、参加会員の方から 国土交通省「防災教育ポータル」(写真下) と、同サイトで公開されている無料のカードゲーム「このつぎなにがおきるかな」についてご紹介いただきました。

 
続いて防災教育の専門家のお話が聞きたいという要望について、実際に教員として防災教育を実践し、全国的にも活躍されている会員の方との質疑応答があり、第2回に時間をとってお話をしていただくことになりました。

次回の開催案内等は こちらの記事 でご確認ください。なお前回のレコーディングデータや、情報共有用のURL等は参加希望者の方にのみ、お知らせいたします。

皆さまのご参加をお待ちしております。

【終了】4/22(土)10時から木耐協オンラインセミナーで東京大学 廣井悠教授が講演します!

住まいと生活を安心・安全に「2023年木耐協オンラインセミナー」で東京大学 
先端科学技術研究所の廣井 悠先生が講演いたします。

今から100年前の関東大震災では9万人以上の方が地震後の火災で亡くなっています。東京消防庁「火災予防審議会」委員や「第14期東京都住宅防火対策推進協議会」会長代行を務める、当協会の理事、廣井先生が、現在の都市で大きな地震の後に火災が起きたら、いったいどんなことが起きてしまうのか、最新の知見をもとにお話しします。

お申し込みは こちらから!
木耐協「オンラインセミナー2023年4月」申込みフォーム (sgfm.jp)

また、6月には元NHK解説委員で国士舘大学防災・救急救助総合研究所 教授 山崎登教授
が、「大雨台風季節の水害への備え」について講演します。

お楽しみに!

【報告】講座で防災シミュレーションゲームを活用、本協会会員講師が対応/埼玉県ほか

 

2023年3月から4月にかけて実施された日本青年会議所関東地区協議会主催の防災講座に、本協会の太田敏一会員が講師として登壇しました。講座では 防災シミュレーションゲーム・クロスロード(内閣府 防災担当) を活用し、地域・災害特性に応じた備えや対応についての講義・演習のほか、災害対策マニュアルについてのディスカッションなども行われました。

主催ご担当者様からは

○ 講師の方にはこちらの希望に沿った柔軟な対応をしていただけた
○ 参加者1人1人が自分の頭を使って考えることで主体的に参加することができた
○ マニュアルについての意見をもとに改良を検討していきたい

といったご感想をいただきました。

当日の様子につきましては 日本青年会議所関東地区協議会ホームページ にも掲載されていますので、併せてご覧ください。


 

本協会では、全国各地の防災教育や防災研修等について、ご要望に応じた講師をご紹介しています。まずはお気軽に お問い合わせ ください。

【報告】都立公園で3年ぶりとなる「防災キャラバンin六仙公園(2023)」開催、親子連れを中心に約600名が参加

2023年3月19日(日)、都立六仙公園(東久留米市)で、3年ぶりとなる「防災キャラバンin六仙公園」が開催されました。本協会は都立六仙公園指定管理者(西武・武蔵野パートナーズ)構成員の一員として実行委員会に参加し、当日は防災クイズや防災グッズ紹介、廃ダンボールを活用したフリースペース、防災・減災クイズスタンプラリー等を担当しました。

天候にも恵まれ、会場には近隣住民など親子連れを中心に約600名が参加しました。参加した児童・保護者からは「ダンボールベッドは初めて体験したが、思っていたよりずっと快適だった」、「身近な公園で防災について学べる機会があるのは嬉しい」、「楽しかったのでまたやってほしい」といった声をたくさんいただきました。

防災キャラバンFacebookページ でもこれまでの取り組みなどが掲載されていますので、併せてご覧ください。 

【報告】人気アイドルコンテンツとのコラボ防災イベントに出展、400名以上が防災クイズを体験(東京・豊洲)

 2023年3月11日(土)~12日(日)、『アイドルマスター ミリオンライブ!(バンダイナムコエンターテイメント)』とコラボレーションした防災イベント『豊洲ぼうさいFestiv@l 2023』が豊洲公園(東京都江東区)で開催され、3月11日に約15,000人、3月12日に約12,000人が来場(主催者発表)しました。

 本会は高齢者・福祉施設向けの防災教育教材や、障害者の災害対策チェックリスト等を紹介したほか、ヤフー株式会社によるオンライン防災クイズ「ちょボットの防災道場 地しん・つなみの巻(注:平田直会長が監修、本会が問題を提供)」セルフガイド版を来場者の方々に体験していただきました。

 イベントはアイドルによる解説が行われる心肺蘇生法・AED講習や、各ブース等で体験や購入などを行うことで「スペシャル防災カード」がもらえるなど、従来の防災イベントにはないアプローチで行われたました。本会ブースにも、20代~30代の若い世代や親子連れを中心に400名を超える方々が体験されました。

 本クイズはスマートフォンやタブレット端末によるオンラインや家庭学習にも対応しており、会場で見つけた「あいことば」を入力することにより、続きを体験することができます。参加者の方々からは「面白かったので、帰り道でやってみたい」、「友だちにも教えたい」といった声をいただきました。

【会員レポート】東日本大震災を体験した子供達の想い・考えを、次世代に伝える教材の実施例(その3) -『短縮版』の活用-

【会員レポート】では、本協会会員の皆さまから寄せられた防災教育実践報告などをご紹介しています。掲載をご希望の方は、事務局まで情報をお寄せください。また、レポートを掲載された方へのご相談や講師派遣依頼につきましても、事務局までお気軽にお問い合わせください。

 


 

情報提供者:小笠原 潤(岩手県立宮古水産高等学校) 会員
活動実施日:2022年12月~2023年1月
情報提供日:2023年2月15日
連絡先:TEL. 0193-62-5550
    MAIL. ptf60-j-ogasawara(アットマーク)iwate-ed.jp

 

準備の段階

 

● 実践・実施のきっかけや経緯

 東日本大震災発生当時、まだ小さかったり生まれていなかった子供達が高校へ入学してくことが予想され、地域に根ざした防災・減災についてどのようにして伝え、考えてもらうかを工夫していく必要を感じていた。
 一つの方法として、インド洋大津波と東日本大震災に関連する百数十編の小論文を教材とすることで、辛い気持ちを乗り越えて小論文を書いてくれた被災地の生徒達の想いや考えを現在や未来の中学生・高校生に引き継ぎ、新たな行動へ繋げていきたいと考えている。

● 計画や準備で気をつけたこと

 元になる資料(2021年11月22日付けの【会員レポート】参照)は、岩手県沿岸の被災地にある5つの高校(宮古、山田、久慈東、岩泉、宮古北)において、震災当時高校2年生だった生徒から保育園年長だった幼児まで(12学年分)の震災を体験した高校生が、震災時や震災復旧・復興時にどのように想い・考えたかを600字の小論文で記載したものである。それらを6つのテーマ別に30編にまとめることで、被災地の子供達の想いや考えを次世代や体験していない人達に分かりやすく継続して伝えていけるように教材化した。
 今回、上記資料は情報量が多すぎる(120ページ)ため使いにくいところがあったので、『短縮版』(実践例も含めて40ページ)を作成し、現在勤務している宮古水産高校の1・2年生に理科の冬休み課題として取り組んでもらった。

 

実践の段階

 

● 実施した内容

1) 『短縮版』の資料の配布

 前回までは6つのテーマのうちから1つのテーマを選び、小論文30編を生徒に配布していたが、今回は半分の15編(目次も含めて7ページ(両面印刷で4枚))にして配布した。また、15編それぞれについて内容面から4つの分類を示し、生徒たちが1つの小論文を選びやすいように工夫した。
 4つの分類とは、『体験』(被災体験と伝承)、『環境』(身近な自然環境を活用した防災・減災)、『支援』(国際支援・国際交流)、『生き方』(これから私ができること)、とした(PDF版の資料を参照)。
 なお、今回使用した15編の他に、15編×3セット、合わせて4セット(全て内容が異なる計60編)の資料を準備し、在学中に少なくても4回、長期休業中の課題として活用できるようにした。

2)提出された課題をまとめたものを掲示・配布

 冬休み明けに提出された課題をまとめたものについてカラー版を各教室に掲示し、白黒版を1・2年生全員に配布した(PDF版の資料を参照)。

 

▼ 実施結果の一例 

令和4年度 理科の夏休み課題(小論文)

 今回、2011年から2021年までの11年間に、4つの高校で収集した小論文の中から15編を選びました。そして、それらの小論文を皆さんに読んでもらった上で、1つの小論文を選んで、以下のA~Cの課題についてあなたの想いや考えを書いてもらいました。

 :あなたの選んだ小論文の筆者は、どういう想いでこの文章を書いたと思いますか? 
 あなたが共感したのはどういう所ですか? 
 :あなたが選んだ小論文を読み、これからあなたができることを述べなさい。

 なお、小論文を1つ選ぶ時の参考として、15編の小論文を内容別に、4つに分類しています。

 『体験』:被災体験と伝承
 『環境』:身近な自然環境を活用した防災・減災
 『支援』:国際支援・国際交流
 『生き方』:これから私ができること

 提出してもらった中から、「そんな想いもあるんだ」や「そういう視点もあるんだ」という内容の代表的な小論文を、皆さんにもお知らせします。(選んだ小論文も添付

 

(1)(令和4年度宮古水産高校2年 Aさん)(震災当時、保育園年中)

A:「筆者は、どういう想いでこの文章を書いたのか?」
 今後、いつ災害が起きても大丈夫なように、自分の経験した事を伝えていくことが大切だという想いで、筆者はこの文章を書いたと思います。

B:「あなたが共感したのはどういう所ですか?」
 私も重茂出身で、とてもこの文章に共感しました。震災前から小学生がやっていた劇の「かがやく海の重茂に」をやっていたから犠牲者が少なくて済んだんじゃないかというのは、私も共感できました。

C:「選んだ小論文を読み、これからあなたができることは?」
 私も震災を5歳の頃に経験したことがあります。その時は、何も分からない状態だったし、どうすれば良いか分からなくてとても怖い思いをした覚えがあります。その当時の私でも震災はすごく恐ろしいものだと分かるくらい怖かったです。
 あの時は、たくさんの支援に助けられたのを覚えています。多くの地域のたくさんの方から支援物資などを貰い、すごく嬉しかったのを今でも覚えています。私の住んでいる町は海がとても近くにあり、漁師がたくさんいる町で、震災の時はみんなで助け合って乗り越えました。私も誰かの役に立てるような人材になっていきたいと思います。

 

選んだ小論文(震災当時、中2)『3.11から四年目の今、私ができること』    体験・生き方

 私は、非常に海が近い小さな集落に住んでいました。しかし、東日本大震災によってこの集落は全滅してしまい、現在も仮設住宅で生活しています。震災後、その集落は災害危険区域に指定され、家を建ててはいけないことになっています。再び同じような被害を受けないための対策の一つです。この地域は、明治三陸大津波や昭和三陸大津波でも多くの被害を受けました。このことを後世に伝えるために先人は、津波到達地点を示した石碑と、二度と多くの犠牲者をださないように「此処より下に家を建てるな」と書かれた石碑を後世に残してくれました。この石碑については、これからも伝える必要があると思います。また、小学校で1年おきに行われる、昭和三陸大津波をテーマとし、当時の様子を台本にした全校表現劇「かがやく海の重茂に」もずっと伝えていくべきだと思います。私たちは、この劇のおかげで早いうちから過去にどのようなことがあったのか分かり、津波の恐ろしさを理解することができました。犠牲者が少なかったのは、これが理由であるかもしれません。
 私は先人がしてきたように、後世へ自分が体験したこと全てを伝えていきたいと思います。二度と犠牲者を出さないために。震災後に建てられた石碑にはこのように記されています。
 『後世への訓戒 大地震の後には津波が来る とにかく高い所に逃げろ 住宅は津浪浸水線より高い所に建てろ 命はてんでんこ』

 

● 実践中や、実施後の参加者の反応

 東日本大震災に対して、自分達と同年代の頃の先輩達が、大人とは違う視点から感じた想いや考えを知ることで、自らの体験や学んだ知識と合わせ、自らの想いや考えを発展させることができたと思われる。

継続の段階

 

● 課題に感じたこと

 上記『実施した内容』について、対象者である宮古水産高校の生徒達は、震災当時保育園年中・年少であったので、幼いながらも震災の記憶や、その後の復旧・復興時の体験や小中学校での学びがあったと思われる。そのため、地元の身近な先輩達の想いや考えに共感する点が非常に多かったと考えられる。それは、被災地の子供達の想いや考えを、被災地の次世代の子供達につないでいくという面で非常に効果的であるが、反面、他の地域の子供達に伝わるかどうか一抹の不安を感じている。
 しかしながら、中学・高校という多感な時期の子供達はもちろん、多くの人が共感力や想像力を持っていることも疑いのないことなので、この教材が防災・減災教育や復興教育に役立つことを信じたい。

● これからの期待や展望

 今回使用した『短縮版(セレクト4)』は、内容的にも分量的にも生徒達にとって適切であったと思われる。また、東日本大震災について触れられたくないと考えている生徒もいるので、そういう生徒にとっては震災と直接関係がない『支援』や『環境』に関する小論文を選ぶことができた点も良かったと思われる。
 今後、教材化した資料を各地の中学・高校の「総合的な学習(探究)の時間」やNPOのワークショップ等でより多くの人に活用してもらうことにより、南海トラフ大地震をはじめとする自然災害が想定されている地域だけではなく、想定されていない地域も含めたさまざまな地域における防災・減災教育や復興教育等に寄与していきたいと考えている。

● 実践中の写真