教材・事例紹介

ダイパーバッグ活用法ゲーム|イベント参考ページ


この記事は「ダイパーバッグ※を使った工作体験」について、本協会会員の幾島様からご提供いただいたものです。イベントについては下記をご覧ください。

※ダイパー(Diaper:おむつ)バッグ、おむつやおしりふきなど主にベビー用品や育児グッズ等を入れるために使うもの。マザーズバッグとも。

 

災害時に起こる、困りごとの例

● 災害時に起こる、困りごとの例(ワークシート).pdf|幾島浩恵

・トイレがない!
・大人用パンツ・オムツが必要!
・赤ちゃん用パンツ・オムツが必要!
・下着の替えがないから、汚れないようにしたい!
・ケガをしちゃった!何か傷を保護できるものは?
・腕を骨折してしまった!痛くないように固定できないかな?
・食器が欲しい(器とスプーン)
・赤ちゃんにミルクをあげたいけれど、哺乳瓶がない!
・鍋が一つしかないけれど、白米、お粥、味付けごはんを同時に作りたい!
・裸足で逃げてきた。履くものが欲しい!
・避難所は人でいっぱい!感染予防にマスクが欲しい!
・雨が降ってきた!フード付きレインコートがあるといいなあ!
・寒くてたまらない!何か暖かくするものはない?
・使い捨てトイレはあるけれど、一人になれる、隠れるところがない!
・水を運びたいけれど、バケツがない!
・窓ガラスを壊したい!
・プライバシーがない!ちょっとでもいいから間仕切りが欲しい!
・火事だ!煙を吸わないよう、目が痛くならないように避難したい!
・溺れている人がいる!何か浮き袋の代わりになるものは?
・洗濯したい!水を節約しつつ簡単に洗う方法はない?
・避難所はうるさくて眠れない!何とかして!
・避難所は明るくて眠れない!
・枕がないと眠れない
・暑い!熱がある!身体を冷やすことはできないかな?
・丈夫な紐が必要!
・炎天下では熱中症予防の帽子がほしい
・おもちゃもゲームもないけれど、子どもが楽しめる事、できないかな?
・赤ちゃんが泣き止まない!原因は特に思い当たらないのに…
 

ダイパーバッグで何とかしよう!~使える材料~

◎印のついた材料は2020年7月5日(日)の「防災教育わいわいミーティング」セッションB①(10:50-11:40)に参加される方は事前にご用意ください。ゲストの幾島様と一緒に工作を体験できます。

【体験の際にご用意いただきたいもの】

◎ 取っ手付きの20~30リットルレジ(ポリ)袋
               [幅35cm✕高さ60cmくらい]×数枚
◎ 新聞紙×3枚
◎ 45リットルゴミ袋×1枚(色は自由)
◎ ストッキング(お持ちの方)
◎ 輪ゴム×6
◎ ハサミ
◎ セロテープ (なくても可)

【あると便利なもの(体験時はゲスト講師が準備します)】

・尿とりパット
・ポケットティッシュ
・生理用ナプキン
・ポリ袋×3(高密度ポリエチレン・カサカサタイプ) 

参考資料

2020年7月5日(日)の「防災教育わいわいミーティング」セッションB①(10:50-11:40)に参加される方は『新聞紙ゴミ箱』と『新聞紙スリッパ』を事前にご用意ください。

ゴミ袋レインコート、紙食器についても確認しておくと当日スムーズにご参加いただけます。

● 新聞紙ゴミ箱のつくりかた.pdf|幾島浩恵・宮﨑賢哉

● 新聞紙スリッパのつくりかた.pdf|幾島浩恵・宮﨑賢哉

● ゴミ袋レインコートのつくりかた.pdf|幾島浩恵

● 紙食器のつくりかた.pdf|東京臨海広域防災公園

ダイパーバッグ活用法ゲーム!

家庭にあるもので、困りごとの解決にチャレンジしてみましょう!体験してみたい方は上記イベントからお申し込みください。

『おうちですぐにできる防災ゲーム(教材)』5つを紹介|いのちを守るSTAY HOME週間(4/25-5/6)



2020年4月25日(土)から5月6日(水・祝)までは「いのちを守るSTAY HOME週間」として、東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県で呼びかけられています。


弊会では「防災ゲームDay」などを通じて、様々な防災ゲームや教材・プログラムを紹介してきました。『いのちを守るSTAY HOME週間』に合わせ、ご家庭のプリンターで印刷したり、パソコンやスマートフォンの画面上で楽しめる防災ゲームをご紹介します。


1.おうちの「ぼうさいグッズ」をチェックしよう!
~ うさぎ一家の防災グッズえらび ~

おすすめ:小学校低学年 ~ 一般

つかうもの:プリンター(なければ画面上でも)

つくったひと:宮﨑賢哉(防災教育普及協会)

あそびかた:
1) 下のボタンをクリック/タッチしてワークシートをみてください。
2) プリンターでいんさつするか、パソコンやスマートフォンでみます。
3) あなたはうさぎ一家(いっか:かぞくのこと)の「ぼく か わたし」です。
   ぼうさいグッズを10こ、ふくろに いれる ことができます。
   なにを いれるか かんがえてください。
4) あなたのいえに、えらんだぼうさいグッズはありますか?
   ほかに、ひつようなものはありますか?
   ほごしゃやおともだちと はなしあってみてください。


2.みんなで「つなみ・すいがい」などにそなえる!
~ このつぎなにがおきるかな? ~

おすすめ:小学校高学年 ~ 一般
※ルールの確認やカードづくりは保護者の方と一緒にお願いします。

つかうもの:プリンター(なければ画面で見るだけでも)

つくったひと:国土交通省

あそびかた:
1) 下の「防災カードゲーム~」をタッチ/クリックしてください。
2) 「データ」の中からひとつえらんでダウンロードしてください。
3) プリンターでカードを印刷(いんさつ)して、ハサミなどで切ります。
4) カードはAの1-2-3-4、Bの1-2-3-4など、4枚で1組になっています。
5) いろいろな遊び方ができます。詳しくは 遊び方 を見てください。
   例[1] なにがおきるか ならべてみよう!(防災七ならべ)
   例[2] とるとるカード!(防災かるた)
   例[3] だいじょうぶでは ありません!(防災ババぬき)

※少しむずかしいので、小学生の皆さんは保護者(ほごしゃ)の方と一緒にみてください。

このつぎなにがおきるかな|国土交通省


3.力を合わせて災害に立ち向かおう!
~ 災害協力シミュレーションゲーム「ダイレクトロード」 ~

おすすめ:小学校高学年 ~ 一般
※ルールの確認やカードづくりは保護者の方と一緒にお願いします。

つかうもの:プリンター、はさみ

つくったひと:神戸市消防局 樋口 貴洋

あそびかた:
※パソコンでみてください。
1)下の「災害協力シミュレーションゲーム~」をクリックします。
2)「海辺の町」にあるデータをダウンロードします。
  (保護者の方はマニュアルをよくご覧ください)
3)町の図面や、カードをつかってあそびます。

災害協力シミュレーションゲーム「ダイレクトロード」|神戸市消防局


4.ぼうさいすごろくでミッションをクリアしよう!
~ 防災ボードゲーム「RESQ」 ~

おすすめ:小学校高学年 ~ 一般
※ボードやカード作成などは保護者の方がご協力ください。

つかうもの:プリンター、はさみ など

あそびかた:
※パソコンでみてください。
1)下の「防災ボードゲーム RESQ」をクリックしてください。
2)遊び方をよく確認してください(保護者の方)。
3)画面の下のほうにある「RESQセット」をダウンロードします。
4)マニュアルに従ってゲームをつくり、あそびます。

防災ボードゲーム|RESQ


5.いざという時にこまる「トイレ」のこと、かんがえよう!
~ 災害時のトイレアクションを学ぼう ~

おすすめ:小学校高学年 ~ 一般

つかうもの:プリンター または スマートフォンの画面など

つくったひと:NPO法人日本トイレ研究所

あそびかた:
1)下のボタンをクリック/タッチしてワークシートをみてください。
2)プリンターでいんさつするか、パソコンやスマートフォンでみます。
3)おもてめん で 災害時のトイレのことをべんきょうします。
4)うらめん に「トイレでこまっているひと」が5くみ、かかれています。
5)どれか1まいのカード(こまっているひとたち)をえらびます。
6)えらんだカードのひとが、トイレのときにどんなことでこまるかを
  かんがえてみましょう。
7)じぶんにできる「トイレアクション」をかんがえてみましょう。
  保護者・ほごしゃの方や、おともだちとも話し合ってください。


このほかにもたくさんの防災ゲームがあります。ご家庭でもすぐにダウンロードして使えるゲームもありますので、ぜひこの機会にご家族やご友人の皆さまとチャレンジしてみてください。

使い方が分からない、詳しく知りたい場合は お問い合わせフォーム からお気軽にお知らせください。



【終了】防災教育指導者育成セミナー教材編「避難行動訓練EVAG-豪雨災害編-ファシリテーター養成講座」(11/30)

本セミナーは終了しました。

 本協会では、防災教育の指導者・支援者の育成を目的とした「防災教育指導者育成セミナー」や各種の教材やゲームを紹介する「防災ゲームDay in そなエリア東京」などのイベントを実施しています。

これまでのセミナーやイベントの参加者から「様々な防災ゲームや教材を知ることができたが、実際に使い方も学べる機会がほしい」、「教材を購入したが、指導方法がよく分からず使えないままでいる」といったご意見をいただきました。

こうしたご意見を受けて、この度、豪雨災害・風水害等をテーマとした防災教育実践で役立つ『国土防災技術株式会社「防災教育教材 避難行動訓練EVAG豪雨災害編」』 の指導者(ファシリテーター)養成を目的としたセミナーを、同社と共催で以下のとおり開催します。

実施概要

日時 : 2019年11月30日(土) 13:30~16:30 ※開場13:00

主催・共催 : 一般社団法人防災教育普及協会・国土防災技術株式会社
        東京臨海広域防災公園管理センター

会場 : 東京臨海広域防災公園( アクセスマップ )
       そなエリア東京2階レクチャールーム1・2・3

対象者 : EVAG購入者、実践者及び防災教育に関心のある方
      防災教育普及協会 会員

定 員 : 50名(定員次第締め切り)

参加申し込み : 専用メールフォーム からお申し込みください。

★どなたでもお申込みいただけます。希望者多数の場合、本協会会員(入会申込中を含む)の参加を優先させていただきます。ご了承ください。★

参加費 : 無料

プログラム(予定)

13:30-13:35 開会挨拶

13:35-14:00 教材開発の経緯、目的・要点等の解説
       講師:国土防災技術株式会社

14:00-16:00 EVAG指導者(ファシリテーター)体験ワークショップ
       講師:国土防災技術株式会社
          一般社団法人防災教育普及協会

16:00-16:20 ワークショップについての各班からの発表

16:20-16:30 まとめ、閉会挨拶
 

お問い合わせ先

▼本セミナー全般について

〒102-0073 東京都千代田区九段北1-15-2 九段坂パークビル3階
一般社団法人防災教育普及協会(担当:教育事業部長 宮﨑賢哉)
※お問い合わせは こちら のメールフォームから受け付けています※

▼教材(避難行動訓練「EVAG」豪雨災害編)について

〒330-0074 さいたま市浦和区北浦和2丁目12-11
国土防災技術株式会社技術本部 技術部 コミュニティ防災課
TEL.048-833-0422(代) Fax 048-833-0424

【募集終了】2020年度防災教育チャレンジプラン
防災教育チャレンジプラン募集

※募集は終了しました。

本協会は内閣府(防災担当)・防災教育チャレンジプラン実行委員会による『防災教育チャレンジプラン』の運営に協力しています。2020年度募集が開始しておりますので、以下のとおりご案内申し上げます。防災教育実践に取り組まれる方々の積極的なご応募をお待ちしております。


※以下の内容は 防災教育チャレンジプランホームページ からの転載です。


2020年度 防災教育チャレンジプラン募集要項

1.募集の概要

 防災教育チャレンジプランでは、全国で取り組まれつつある防災教育の場の拡大や質の向上に役立つ共通の資産をつくることを目的に、新しいチャレンジをサポートいたします。
 そのプランの準備・実践に当たって発生する経費を支援し、実現に向けて防災教育チャレンジプランアドバイザーが出向くなどして相談などの支援を行います。
 応募の中から選ばれたプランは、活動計画について前年度の活動報告会で発表、さらに実践した内容について、交流フォーラム(中間報告会)と活動報告会で発表していただきます。
 活動報告会においては、優秀な実践活動に対して防災教育大賞・防災教育優秀賞・防災教育特別賞を授与いたします。また、皆さんのチャレンジプランの成果はホームページなどで広く公開いたします。

サポート内容

  • プランの実践にかかる経費の提供/ 上限 30 万円(査定による)
    ※活動・予算計画書の提出及び団体名義の口座が必要となります。
  • 交流フォーラム(中間報告会)、活動報告会発表者への交通・宿泊費の支給(1名分×3回分)。
  • プランの実現に向けて、下記サポート主体が助言や現地指導等の支援を行います。
  • 防災活動の手法・事例の収集と活動情報の発信ができる各種webツールを提供します。
     

サポート主体

  • 防災教育チャレンジプランアドバイザー
  • 防災教育チャレンジプラン実行委員
  • 防災科学技術研究所研究員
  • サポーター(過去の実践団体)
  • その他防災教育専門家
  • 防災教育チャレンジプラン実行委員会事務局
     

表彰

  • 活動プロセス及び成果に対して審査を行い、優秀な実践活動に対して、防災教育大賞・防災教育優秀賞・防災教育特別賞を決定し、 表彰状と盾を授与いたします。
  • 防災教育チャレンジプラン「サポーター」として認定いたします。
     

詳しい活動例は、募集リーフレット(PDF)をご覧下さい。
 

2.応募資格

  • 防災教育を一層充実させたいと考えている教育・社会福祉施設(保育施設・幼稚園・学校等)、教育委員会、NPO、民間企業、個人、地域団体(民間事業所、各種団体、行政機関)
  • 採用された場合は、開催予定の実践団体決定会、中間報告会、活動報告会の計3回の会合に出席できること。
       

3.応募部門(プランの対象別)

A.保育園・幼稚園等の部
B.小学校低学年の部
C.小学校高学年の部
D.中学校の部
E.高等学校の部
F.大学・一般の部
   

4.応募締切

2019年11月29日(金)15:00までに応募企画書をホームページにアップロード
   

5.応募方法

応募を希望される方は、以下のページより事前登録をお願いします。事務局より応募用紙の電子ファイル及び提出先を案内いたします。

● 応募 ・・・ 事前登録ページ

※応募企画書提出をもって応募となります。事前登録だけでは応募になりませんのでご注意ください。

※土日祝日の受付を除き、応募後2~3日で事務局より応募受付完了メールを送付いたします(受付完了メールが届かない場合は、必ず事務局までご連絡ください)。

※1団体1申請が原則です。複数プランへの応募は(プランが違っても)できません。応募する場合は必ずいずれか一つのみに応募してください。

※団体ごとに「事前登録→企画書提出」の手続きをし、事前登録者と応募者の名前を一致させてください。代理人による事前登録は認められません。
   

6.応募結果

「防災教育チャレンジプラン実行委員会」の選考により決定します。 審査の結果は、事務局より郵送及びメールにて応募団体へご連絡します。(応募締め切り後1ヶ月程度)

※メールが正しく受信できないことによる連絡の遅れ等について事務局では責任を負いかねますので、事務局からのメールが受信、確認できる環境でご応募ください(迷惑メールファルダ等のご確認もお願いします)。
   

審査の観点

  • プラン実施により地域防災力の向上に貢献できること
  • 応募された防災教育プランの有効性・新規性
  • 活動の中に新しいチャレンジの要素が含まれているもの
       

決定発表

  • 当年度の活動報告会の会場にて、次年度チャレンジプランの計画を発表いただきます。
       

7.応募用紙提出先/お問い合わせ

防災教育チャレンジプラン実行委員会事務局
E-mail: cpinfo2865(アットマーク)bosai-study.net/ FAX:03-3556-8217

※アットマークを記号に修正して送信してください。

【会員レポート】消防設備士として「防災教育」を実践|静岡県


【会員レポート】では、本協会会員の皆さまから寄せられた防災教育実践報告などをご紹介しています。掲載をご希望の方は、事務局まで情報をお寄せください。また、レポートを掲載された方へのご相談や講師派遣依頼につきましても、事務局までお気軽にお問い合わせください。



情報提供者: 岡村 智樹 様(樹実防災株式会社)/個人正会員 
ご連絡先: kun7korobi8oki (アットマーク) gmail.com
情報提供日:2019年4月24日
タイトル:消防設備士として「防災教育」を実践

※本レポートは『地域における防災教育の実践の手引き(内閣府・防災教育チャレンジプラン』(PDF/内閣府ホームページ)で示される準備・実践・継続の各段階に合わせて情報提供いただきました。

【準備の段階】

▼実施(依頼)の経緯、きっかけ

私は三十余年間、消防用設備の点検等を通じて、様々な事業所にて「防災訓練」を実施してきました。

その中で思ったのは、小学校や中学校での防災訓練時に私が子供の頃経験した防災訓練内容と然程変化がなかった事でした。しかし近年火災を含む災害が多く、子供たちのような「弱者」が被害に遭うケースを見逃すことが出来ませんでした。

そこで消防用設備等の仕事の傍ら地域の消防団等の活動を通じて学んできたことを、今の子供たちに伝える事により将来大人になったときに地域活動等で役に立ててもらえたらどんなに素晴らしい事なのかと思い始めることにしました。

【実践の段階】

▼実施している内容

① 人の生命が誕生してからの「火の歴史」を通じて、火の大切さや火の怖さを伝えています。人はどうやって「火」を手に入れ活用したのか。それを応用し戦争の武器や原子力発電所爆発等による人や環境への影響を話しています。

② 小学校PTA活動をしていた私は、東日本大震災を経験した宮城県の山下第二小学校と交流があり、当時の校長先生から頂いた被災した校内外の写真数枚を使い、先生の言葉を頂きながら津波の怖さを伝えています。

③ 災害に関する映像を見てもらいます。日本国内において、子供教育に関する防災ビデオ等は非常に少ないため、独自に資料を集めています。例えば、台風等による豪雨で電線が切れるとどうなるか?川で遊んでいると上流から鉄砲水が流れてくると、どのように増水するのか?等です。この映像は実際に感電したり川に流される映像がありますので、事前に学校側と協議して「R15」仕様に編集したものを子供に見せています。

④ 消防用設備等を知る事で、安心感を持たせるために「実験」をします。消火器を子供の目の前で分解して中身を見せ、加圧用ガスを動作させて密封容器の破裂を想像させます。粉末薬剤にも触れてもらい、放射した時に視界が遮られる事を伝えています。スプリンクラーの放出口に膨らませた風船を繋ぎ、バーナーで実際に放出口を動作させます。どのくらいでスプリンクラーが動作し、どのくらい水が出るのかを伝えます。誘導灯にも種類があることを話し、仮設でコンセントに繋いで点灯したものを抜く事(停電)するとどのように付くのか?など、消防設備士の資格を持っている知識を生かしながらお話をしています。

⑤ 「率先避難者たれ!」を伝えます。パニック時における人間の行動学を、子供たちに分かりやすくかみ砕いてお話をします。

⑥ 私は、東日本大震災の時に東京他内で大地震を経験しました。その後の様子(計画停電や物資の不足など)を話します。避難所の様子や海外での避難所の様子を説明し、子供たちや一緒に参加されている大人達に今の地域社会での限界を知ってもらいます。最後に「平常時だからこそ出来る事」と言って終了となります。

毎回、以上の内容で与えられた時間や集まる予定の方々の性別や年齢層によりアレンジしながら実施しています。例えば子育て世代が多い、高齢者が多い、お役所の方が多い等です。事前打ち合わせの時に、古地図を閲覧したり、会場付近を歩いて肌で地域を感じたりもします。

▼参加者の反応

とにかく皆様真剣になります。見るもの聞くものが真新しいのもあると思いますが、終了した後の「質問コーナー」が皆様にとって有意義な時間だと思います。

毎回一番反応が良いのが、「実験」です。腐食した消火器が何故危険なのか。スプリンクラーの放水を聞いて「慌てる事がない」事を知った。誘導灯の見方が分かった等きりがありません。津波の影響がある地域では、「堤防の高さや避難タワーを高くすることより、皆様の心の堤防を高くして下さい」に、納得されています。

【継続の段階】

▼課題に感じていること

私は、NPO等の活動ではなく、自分の仕事(消防用設備等の工事やメンテナンス)をしながら企画・打ち合わせ(現地含む)・資料作成をしています。よって講演活動に関しては有料にしている事です。

情報収集については、各地の防災チームさんや海外の防災関係者と少し繋がりがありますので情報の更新や新ネタ等には助けられています。また、地元の大学の先生等と、要支援者宿泊型防災訓練の企画運営や近所の動物病院院長の「ペット避難」提唱者の方々のお力添えも非常に助けられています。

▼これからの期待や展望

「防災教育は子供から」

私は20年以上前から思い続けていました。今は子供でも20~30年経つと、立派な地域社会の成人です。その時に「防災の心」を持った人間となり、またその方をサポート出来るような防災に対して「強い心」を持てる子供を一人でも多く育成したいと思っています。

防災は決して火災や地震・津波、噴火だけではないと思います。人々に「災い」があることを指します。その災いに対して、直ちに行動出来る方の育成でもあるのです。

「パニック時の行動学」では、約1割程度の人しか正常に直ちに行動を起こす事しかできず、残りの大多数は何も出来ないどころか我を忘れてしまう方もいるのです。 それらを「平常時」に少しでも多くの子供たちにお伝えしたい。それが私の理念です。


【会員レポート】シニア建築士による地震防災教育|東京都

  

【会員レポート】では、本協会会員の皆さまから寄せられた防災教育実践報告などをご紹介しています。掲載をご希望の方は、事務局まで情報をお寄せください。また、レポートを掲載された方へのご相談や講師派遣依頼につきましても、事務局までお気軽にお問い合わせください。

  


  

情報提供者:高橋元一 様/個人正会員
情報提供日:2019年3月4日
タイトル:シニア建築士による地震防災教育 “一般の人と専門家との橋渡し”

 

建物の安全は、人の命に関わるとともに、大切な資産を守るためにも重要な問題であることに異議を唱える人はいません。

しかしながら、その安全性の捉え方は、一般に専門性も高く馴染みも薄いため、一般の人と専門家との間で溝が生じやすく意思の疎通が難しいことが、専門家(例えば、日本建築構造技術者協会)の間で従前より指摘されています。

この溝を少しでも埋めるため、長らく建築構造の仕事に従事してきた筆者は、小学生から一般の方までを対象に、個人で講演活動を続けています。主に地震に対する建物の安全に焦点をあて、地震のとき建物はどうなるか、建物の安全はどのように決められるか、どうしたら安全な建物ができるか、等々、“小学生には基本を分かりやすく、一般の方には身近な問題を分りやすく”をモットーに、ビデオや建物模型を併用して理解が進むよう配慮しています。

これまで、公立小学校や地域の生涯学習会等に出向き、小学校では普段聞けない話に児童は興味深い目を向け地震に対する準備の意識を向上させ、一般の方では実際の建物の安全がどのように成り立っているか具体的な話を通して理解を深めることができた、との声を聞いています。

地震防災・減災の原点になるといって過言ではない建物の安全に関し、子供から大人まで社会の理解が進み、より安全な建物の実現に少しでも貢献できることができればと願っています。活動に興味のある方は、ホームページ「地震と建物の安全を考える」https://www.eq-bldg.com/(外部サイト)をご参照ください。

 


【公開】防災教育実践に関するアンケート調査分析結果について

  

2018年10月14日(日)に弊会主催で実施した『ぼうさいこくたい2018セッション 防災教育交流フォーラム~今、防災教育に足りないものは何か~』で、参加者の皆様を対象に実施した防災教育実践に関するアンケート調査結果がまとまりましたので、PDFデータを公開します。

下記ファイル名をクリックするとブラウザ上で閲覧することができます。「ダウンロード」ボタンをクリックするとPDFファイルをダウンロードできます。

防災教育交流フォーラムについては下記の記事をご覧ください。