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情報提供者:高橋元一 様/個人正会員
情報提供日:2019年3月4日
タイトル:シニア建築士による地震防災教育 “一般の人と専門家との橋渡し”
建物の安全は、人の命に関わるとともに、大切な資産を守るためにも重要な問題であることに異議を唱える人はいません。
しかしながら、その安全性の捉え方は、一般に専門性も高く馴染みも薄いため、一般の人と専門家との間で溝が生じやすく意思の疎通が難しいことが、専門家(例えば、日本建築構造技術者協会)の間で従前より指摘されています。
この溝を少しでも埋めるため、長らく建築構造の仕事に従事してきた筆者は、小学生から一般の方までを対象に、個人で講演活動を続けています。主に地震に対する建物の安全に焦点をあて、地震のとき建物はどうなるか、建物の安全はどのように決められるか、どうしたら安全な建物ができるか、等々、“小学生には基本を分かりやすく、一般の方には身近な問題を分りやすく”をモットーに、ビデオや建物模型を併用して理解が進むよう配慮しています。
これまで、公立小学校や地域の生涯学習会等に出向き、小学校では普段聞けない話に児童は興味深い目を向け地震に対する準備の意識を向上させ、一般の方では実際の建物の安全がどのように成り立っているか具体的な話を通して理解を深めることができた、との声を聞いています。
地震防災・減災の原点になるといって過言ではない建物の安全に関し、子供から大人まで社会の理解が進み、より安全な建物の実現に少しでも貢献できることができればと願っています。活動に興味のある方は、ホームページ「地震と建物の安全を考える」https://www.eq-bldg.com/(外部サイト)をご参照ください。
カテゴリ:教材・事例紹介